今、この人間社会では「結果を出す」ということを最大の価値とする傾向があります。
確かに目標を設定し、結果を出すことを目指すことは悪いことではありませんが、そ
のために手段を選ばない、悪にも手を染めるということになりますと、話は違ってきま
すね。テレビなどマスコミがスポーツのスター選手を報道するとき、試合で目覚ましい
結果を出した、素晴らしい活躍をした、そうした目に見える部分だけを取り上げて見せ
ます。テレビを見ている人々は良い結果が出た部分だけを見るわけですから、そうし
たスター選手を一般人とはまったく違う次元の人間なのだと思いこみます。また違うと
思い込ませ彼らを信奉させることによりそれを商業的利益に結び付けようという目論
見があることも否定できません。彼らの本当の素晴らしさはその結果を出すにいたる
までの長期間にわたる努力の継続、葛藤を乗り越え、困難を克服してきたという過程
にこそあるのです。目につきやすい華やかなところだけを見て憧れるのは浅はかです。
偉大な業績はその人間の生き方を反映したものにほかなりません。どんな人間も何か
しらの立派な結果を残すことはできるのです。その人間の生き方、そのものが結果とし
て現れるのです。過程こそが重要です。結果はあくまで結果であり、一通過点にしかす
ぎません。また新たな努力を継続しない限り、進歩は止まってしまうのです。人間は一生、
進歩する為に生きているのです。生きている限り、これでいいということはないのです。
バレエのレッスンも同じことです。