バレエのレッスンでアラベスクやアティテュードなどのポーズとったり、ステップを

こなすとき、初心者の皆さんもバレリーナの踊っている姿をイメージして「気分はバ

レリーナ」で動いている方もいらっしゃると思います。それはそれで楽しくてよいの

ですが、舞台で何か役柄を踊るのではなく、お稽古で基礎を学ぶ場合、やはり気分を

入れ過ぎて、気分が先行してしまうのはあまりよいやり方ではありません。まずはき

ちっと正しくシンプルに動けるようにやってみましょう。バレエには厳格な法則があ

り、それから外れた形、動き方は正しいとはみなされません。また見る人の目には品

位に欠けたものと映ります。あまり固まりすぎて機械的になってももちろんいけませ

んが、バレエの美しさはあくまでもシンプルさの中にあります。ひらひらと華美な装

飾を施したものではありません。衣装がどれだけ豪華できらびやかでも、完璧なメイ

キャップをしてもダンサーの訓練を施した肉体そのものに輝きがない限り、美しさを

表現することはできません。まずは正しく動くことに集中していく中で、自然と適度

な表現が具わっていくという方向づけが適切であると思います。感性も人それぞれで

すが、せっかくバレエのお稽古をしているのですから少しでもバレエの真髄に近づけ

るよう、努力していきましょう。