東京に住んでいますと、自然の中で生きているという意識を失いがちになります。しかし
陸地があり、空があり、海や川があり、森や林があり、そういう環境の中に建物や道路を
作り、暮らしているということを忘れてはならないと思います。東京も直下型地震などの大
地震が、近いうちにかなり高い確率で起こると予想されています。先の東日本大震災や最
近の広島の土砂災害などにおいても、人間は自分の感覚で危険を察知する能力が弱くな
っているように思えます。科学的なデータやマスコミによる報道だけに頼り、それを盲信す
るのではなく、最後は自分の動物的カンが頼りなのだということをもう一度考え直すべきで
す。東京でも海に近いエリアでは津波が来ますし、埋め立て地などは地盤沈下も免れませ
ん。過去100年に起こったことがないことが今後も100%起こらないと言い切れるはずは
ないのです。時間に対しても空間に対しても非常に小さな枠組みの中での思考しかできな
い人間が非常に多いのです。自然の中で生かされいるのだという自覚、宇宙全体の中での
生命体としての自覚こそが必要です。テレビや本などからの情報に惑わされず、自分自身
の内側から正しい情報を引き出せるようになるべきなのです。災害は痛ましく、避けたいも
のに違いはありませんが、人間が真理に目覚めない限りは自然災害により大きな被害が
引き起こされる可能性は高いのです。