バレエのクラスレッスンはまずバーレッスンから始まります。バーにつかまり一連の
動きを順番に行っていきます。そしてバーレッスンが終わると今度はバーを離れて
センターレッスンです。これらの動きを行う際、バーのときもセンターのときも必ず右側
をやったら左側で全く同じことをします。手足を出す方向や動く方向も左右逆にして、
全く同じことをするわけです。舞台のリハーサルになりますと、振り付けを練習するわけ
ですから、どちらか一方の動きを何度も繰り返すことになり、身体にかかる負担が片寄り、
左右のバランスに不均衡が生じてしまいますが、それを防ぐためや、振り付けの際にすぐ
に左右どちらからの動きにも対応できるよう、毎日のクラスレッスンでは必ず左右同じ動き
をするように作られています。人間の身体は本来左右は全く同じわけではなく、完全に同じ
ように行うことはとても難しいことなのですが、ダンサーはなるべく左右の誤差をなくすよう
に日頃から訓練するようにしています。人間の身体をバランスよい状態に保つためにも
このような訓練の仕方はとても有効であると思われます。